節約をがんばるとお金を使いたくなる心理
先月、家計整理のレッスンを受けてくださったMさんから気合いのメールが届きました。
「お話を聞いて、すごくやる気が出てきました。今日からお買い物は週1回にしようと思いますし、自動積立も3万円に設定したいです。食費も節約して、すこしでも貯金にまわしていきたいと思います!」
このメールを読み、大切なことを伝え忘れた・・・と思いました。というのも、お金のモチベーションが高まるとついついMさんのように、いきなりの節約をはじめようと思うのです。
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今日からお買い物に行くのは週1回と決めよう!
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今月からいっきに10万円を投資し始めよう!
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さぁ、今日から節約料理で食費は1万円で乗り切ろう!
といった具合です。
ですが、こうしたいきなりの節約はおすすめしません。
というのも、私たち人間は「いいことをすると悪いことをしたくなる」という性質をもっているからです。これは心理学用語ではモラルライセンシングと言います。
こんな経験はありませんか?さぁ、節約をしよう!と意気込んで、1週間がんばってがんばって節約料理を食べつづけた後の土曜日に「今週はがんばったから、自分にご褒美!焼き肉で豪勢に外食しちゃおう!」なんてことはありませんか?
こうなると、がんばった節約も水の泡。結局はいつもより高い食費代になる・・・なんてこともあると思います。
これは、私たちの「いいことをすると悪いことをしたくなる」心理がはたらくためです。こんなにがんばったのだから、自分にご褒美をあげなくちゃ!とばかりに本来の目標を忘れて、誘惑に負けてしまうというわけです。
では、このモラルライセンシングに負けないためにはどうれすばいいのでしょうか。
お金を貯めるには小さな習慣からはじめよう
私がオススメする方法は、小さな習慣づくりからはじめるということです。
いきなり大きなことに挑戦するのではなく、小さなことから始めることをオススメします。
例えば、買い物に行くのをいきなり週に1回にするのではなく、まずは、水曜日だけでも買い物にいくことをやめてみる。
今月からいっきに10万円を投資するのではなく、まずは毎月3000円からはじめてみる。
といった具合に、小さなことからはじめてみることです。
小さな習慣をオススメするには理由があります。
お金を貯めるには小さな習慣がいい理由:
①小さな習慣は続けやすい
ひとつ目の理由は、「小さな習慣は続けやすい」ということです。
小さなことからはじめると、脳はそのプロセスを自動的に行うことを覚えます。私たちの脳は「繰り返すこと」を好むのです。
毎日スーパーで食料品を大量買いしていた人が、いきなり毎日の買い物をやめるというのは、なかなかハードルが高いですよね。
ですが、「毎週水曜日は買い物をお休みする」という小さな習慣からはじめれば、続けられる可能性はぐっと高くなります。
そして、毎週水曜日はお買い物をお休みすることを繰り返せば、脳はその買い物プロセスを自動的に覚えるようになるのです。
脳が自動的に覚えてしまえば、私たちは意志のちからに頼ることがなくなります。
買い物を減らそう減らそうという意志に頼るのではなく、脳が自動的に「水曜日は買い物に行かない」という選択をしてくれるようになるのです。
ちなみに、新しい習慣を身につけるにはどれくらいの時間がかかるかをご存知ですか?一般的には21日間というのが広く知られている説かと思います。ですが、2009年に発表されたロンドン大学の研究よると、習慣化には「18日から254日」かかるという結果がでました。
これを平均すると習慣化には66日かかるということになります。この研究では、身につけたい習慣の難易度によって、この日数は異なると言うことを結論づけています。
例えば、毎日一杯の水を飲むといった簡単なことであれば、かかる日数は18日前後。
毎朝50回の腹筋といった難しいことであれば、かなりの日数がかかるということです。
つまり、お金の習慣に関しても、小さくて簡単な習慣は短期間で身につけることができるということです。
お金を貯めるには小さな習慣がいい理由:
②感情にふりまわされない
ふたつ目の理由は、「小さな習慣は、感情にふりまわされない」ということです。
心理学者のジェレミー・ディーン氏によると、習慣的な行動は不思議なほど無感情に行われると言います。
こんな経験はありませんか?イライラしているときに衝動買いをしたくなるとか、逆にうれしいことがあって気分が高揚しているときにデパートに出かけたくなるといったことはありませんか?
実は、私たちの買い物行動は、私たちの感情に左右されているのです。
小さな習慣は、こうした私たちの感情的な買い物を防ぐことができます。感情的なことがあったとしても、習慣になっていれば、その感情に振り回されることは少なくなります。
買い物のお話で例えれば、毎週水曜日は買い物に行かないということがきまっていれば、どんなにイライラすることがあっても、どんなにうれしいことがあっても、感情にまかせて衝動買いをすることは少なくなるでしょう。
お金を貯めるには小さな習慣がいい理由:
③脳のエネルギーの節約になる
そして、みっつ目の理由は、小さな習慣は脳のエネルギーの節約にもなるということです。
たとえば、「水曜日は買い物に行かない」ということが習慣になっていれば、毎週、「今日は買い物にいきべきかどうか」といったことを悩む必要がなくなりますよね。
脳が「繰り返し」を覚えているために、意志のちからをつかうこともないです。
ですが、習慣がなければ、「今日は買い物にこうかな、、どうしようかな」と悩み、行ったら行ったで、「あぁ、なにを買おうかな。これは買おうかなやめておこうかな」といった具合に多くの選択と決断を迫られます。
こうして、脳のエネルギーを消費してしまうのです。
また、貯金も同じことがいえるでしょう。毎月5千円を自動でつみたてする習慣があれば、「今月は貯金をしようかな、どうしようかな」と悩むことはありません。
ですが、習慣がなければ、「今月はいろいろと予定がはいっているし、貯金するのはやめておこうかな。でも、これだと貯金をしようと思ったのに、全然できていないじゃないか。なんて私はダメなんだ・・・」といった具合に、脳のエネルギーを消費していくのです。
そのため、お金を整えるためには、小さな習慣からはじめることをオススメします。
私たちは、お金の小さな習慣をつくることで、脳のエネルギーを消費することなく望ましい行動をとれるようになります。
つまり、小さなエネルギーで、お金を貯められるようになるのです。
小さな一歩がお金の流れを変えていく
というわけで、今日は、お金を貯めるためには小さな習慣からはじめるべき3つの理由についてお話しました。
お金が小さな習慣からはじめていくことが大切です。
小さな習慣には3つのメリットがあります。
- 小さな習慣は続けやすい
- 小さな習慣は感情に左右されにくい
- 小さな習慣は、脳のエネルギーを節約できる
こうしたメリットを頭の片隅において、まずは、目の前のできることからはじめていきましょう。
お金の整理に意気込み過ぎて、いきなり大きなことに挑戦する必要はありません。あなたにとって、小さくてチャレンジしやすいことから生活に取り入れていきましょう。
そして、それを習慣にしていきましょう。あれもこれも慌てることはありません。まずは、いまの自分ができる簡単で小さなことからはじめてみてください。
あなたがはじめた小さな小さな習慣は、やがて大きな大きなお金の流れを引き寄せることになります。
そのことにワクワクしながら、お金の小さな習慣づくりからはじめましょう。
あなたのお金が整うことを今日も応援しています。
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